2010年 11月 25日
無 |
50mの制作は、アトリエの整備から始まった。
昨日(24日)アトリエの床に、
モルタルセメントを敷いた。
誰かに手伝わせることは出来たが、
自分の体力のトレーニングとしてやっておかねばならない。
つまり、作業の予定を立てても体力が伴わなければ、
行程が遅れて、最後になって大きなロスとなる。
またこうした無駄なような作業も、
必ず作業工程のどこかで生きてくるもので、無駄ではない。
但し、セメント一つ40kgを102袋扱ったのは、
疲れたの一言に尽きる。
それと、昨日は一つの修行ということで、
食わず休まずの9時間労働だった。
作業中、疲れて休みたいと思うこともあったが、休まない。
するとその疲れを癒す方法、
つまり労働の中で見つけ出していくようになる。
大作制作にはそれが大切で、
これはどういうことかと言うと、
作業工程も4分、5分頃が一番疲れてくる。
疲れてくるという言い方より、
不安と言った方がいい。
そこに迷いが生じる。
それを突破するのは、経験からくる信頼である。
自分の制作工程への信頼が必要で、
その辺りが一番辛いところだが、
なにも意識せず、考えず、同じテンポで作業を進める。
すると、7分8分に近づくにつれ、
完成が見えてくるものである。
不安(迷い)を払拭するのは、
急がず、焦らず、同じテンポで進める。
禅で言う無意識になることとも言える。
よくみなさんは、「無とは何か」と聞かれるが、
無とは、あとを追わないことである。
あるいは、先も考えず、後も考えず、
自分の五体のみがそこにある。
場所ははっきり覚えていないが、
聖地(聖なる山)に行く時、五体投地というのがある。
歩まず、体を地面に投げ出し、
起き上がり、また投げ出す。
この繰り返しを聖地まで続けて進める。
気の遠くなる行(ぎょう)である。
そうした行に入った時、考えて進めると、
それに耐えられなくなる。
気の遠くなる仕事の連続が、
誰れもまねの出来ないものを生む。
P.S.
1.金箔のカンパはギャラリーDENで受け付けております。
2.なぜ金か、それは黄金伝説。
by fromberlin
| 2010-11-25 17:29
| 作品制作について